一般社団法人 延岡市医師会

人類はウイルスとの戦闘状態にあります
 生物は太古の時代からウイルスと戦い続けています。10年に1回、新しいウイルスが出現し100年に1回、世界中が感染する強い感染症が発生します。
 この流行をpandemicと言い100年前のスペイン風邪がそうでした。そして今、人類は新たな敵、新型コロナウイルスと戦っています。ウイルスは新しい株を作る性質があります。感染力と毒性、この2つの組み合わせを持った様々な株ができます。100年前と比べ医療は飛躍的に進歩していますが、人々の移動手段も比較できないほど発達しました。ウイルスは単独では増殖できず、人の細胞の中に侵入し増殖します。人間を介して伝染するわけです。過去の歴史から考えても、収束には数年かかる可能性があります。敵と闘うには正確な情報が必要です。科学的に裏付けのない情報をもとに戦っても勝利できません。デマを信じないで、正しい情報を掴みましょう。医学会も連合して情報を発信しています。
  日本医学会連合COVID-19ワクチンの普及と開発に関する提言修正第5版(2021年7月29日)

あとで後悔されないように、正しい情報を基に行動してください。

❶ワクチン接種は社会貢献です
 ●自分のために
 ●家族(愛する人)のため
 ●社会のため(集団免疫)
  デマに惑わされず、しっかりとした情報をキャッチしてください。

❷早くワクチン接種を
 今からが感染のピークです。国産ワクチン待ちやワクチンの反応を待っているうちに感染し、後悔した人が沢山います。8月に入って感染した人(ほとんどがデルタ株)の、県北地域の感染者数の97.5%がワクチンの接種なしか2回の接種が完了していない人です(感染防止効果)。ワクチン接種して感染した人は、軽症で終わっている人がほとんどです(重症化防止効果)。
 ●予約センター(電話又はパソコン・スマホ)
 ●職域接種(旭有機材・興電舎、旭化成・商工会議所)
 ●医療機関での個別予約
  予約の空きは随時変わりますので、新しい空きがないか常にチェックを!

❸ワクチン接種後も予防対策
 ●マスクの着用
 ●手洗い
 ●三密を避ける
  これまで通りに予防対策を続けてください。

❹デマに惑わされないで、正しい情報を
 ●接種により新型コロナウイルスに感染することはありません。
 ●数年後にワクチンが原因で癌になることはありません。
 ●ワクチン接種に伴うアナフィラキシー:2人/100万人
  新型コロナウイルス感染者の死亡率:1~5人/100人
 ●新型コロナウイルスとインフルエンザは全く違うものです。
  致死率 インフルエンザ:0.02~0.03% 新型コロナ:1~5%(現在1.2%)
 ●妊娠しなくなることは考えられません。

❺妊婦、授乳中のお母さんへ
 ●流産や死産、早産などの頻度は一般的な妊婦と変わりありません。
 ●妊婦の接種:胎児へは移行しないので安全です。
 ●妊婦が感染した場合:感染していない妊婦さんと比べて重症化する割合が大きい。
  胎児は流産、早産、低酸素脳症、死亡しやすいことがわかっています。
 ●授乳中の母親:接種で母乳中にはⅿRNA は移行しないので、赤ちゃんへの影響はないと報告されています。
 ●臍帯血にも母乳中にも新型コロナウイルスに対する抗体があることが確認されており、産後の新生児を感染から守る効果があること が期待されています。
 ●副反応がでた時の解熱鎮痛剤の使用について:妊婦さんの場合、アセトアミノフェンは使用可能ですが、非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェン、ロキソプロフェン等)の妊娠後半期の使用は避けるべきと考えられています。授乳婦さんの場合、アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェン、ロキソプロフェン等)ともに安全に使用できると考えられます。

❻マスク:デルタ株の感染防止
 感染者のウイルス量が多く、水痘(水ぼうそう)と同じ(インフルエンザの4~5倍)ですが、適切なマスク着用で防ぐことができます。
 〇不織布マスク(効果あり)
 ☓布マスク(効果なし)
 ☓ウレタンマスク(効果なし)

一般社団法人 延岡市医師会
会 長 佐藤 信博
ほか会員一同